『ローマ人の物語』がコンパクトにまとめられた【ローマから日本が見える】著塩野七生

ローマから日本が見える (集英社文庫)

塩野七生さんの著書が好きで時間があった学生の頃は15巻もある『ローマ人の物語』を何度も繰り返し読んだ。歴史は繰り返すというが、個々の人間の思考様式は言語、文化や習慣の違いがあってもあまり変わらない。ただ、ローマ帝国がいかに力を蓄え、地中海の覇者になり得たかについてその体制を作り上げたローマ人たちの知力、胆力は今日でも見習うべきところが多い。

ユリウス・カエサルのような英雄が歴史を作ることもあるが、その英雄の偉業を維持するためには多くの人の英知が必要となること、多くの人が同じ方向を向くことが必要とされる。

そんな古代の叡智がこの本に濃縮され、現代のわれわれも追体験できるのであるが、いかんせん『ローマの物語』は長く、読破するのにとても時間がかかる。社会人になった今でももう一度読み返したいと思うが、時間がない。そんなとき、そんな「ローマ人の叡智」をコンパクトにまとめてくれているのがこの『ローマから日本が見える』だ。

 

もちろん、『ローマ人の物語』を読むのが読了後の達成感や感慨はひとしおだろう。だが、時間のない社会人にとっては、このような本があるのがありがたい。通勤時間や休憩時間によんでいれば1週間もあれば読み終えることができる。ぜひ、変革の時代、明日の見えない時代の視座となる書のひとつだと思う。
※この記事は読者からの投稿記事です

ローマから日本が見える (集英社文庫)

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)