新海誠監督【雲の向こう、約束の場所】

中学生の浩紀と拓也は秘密裏に廃駅の格納庫で飛行機を製作していた。二人はヴェラシーラと名付けた飛行機で津軽海峡の向こうに建つ「ユニオンの塔」まで飛ぶことを目標にしていた。ある日、浩紀が口をすべらせたことで想いを寄せるクラスメイト・佐有理に飛行機製作がバレてしまう。二人の計画に強く関心を持った佐有理に二人は、「管制したら一緒に塔まで連れていく」という約束をする。
しかし、その年の夏の終わりとともに佐有理が二人の前から姿を消した。約束が果たされることはなかった。
それから3年後、飛行機が完成することなく、計画もうやむやになっていた。浩紀は逃げるように東京の高校へ、拓也は青森の高校へ、それぞれ進学した。塔の謎を追いかけてウィルタ解放前線に内通しながら平行宇宙の研究に行っていた。一方、つらい思い出と孤独に苛まれながら、佐有理の夢を見てた。夢の中で佐有理は孤独の中で浩紀の名前を呼んでいた。傍観者である浩紀は夢の中で何も出来なかった。そんな日々が続く中で、浩紀のもとに一通手紙が届く。佐有理が姿を消した3年前に書いたものだった。手紙の内容から佐有理が姿を消した理由を知り、佐有理の入院する病院へと駆けるが、既に佐有理はいなかった。
夢で佐有理と邂逅した浩紀は、佐有理と交わした約束を果たすために、地元・青森へと戻る。
拓也と再会し「ヴェラシーラに佐有理を乗せて、ユニオンの塔まで行く」と協力を仰ぐ。一度は協力を拒絶する拓也だったが、一途な浩紀の想いについに折れて協力するために研究所から佐有理を連れ出す。あの夏に交わした約束を果たそうとする物語です。
『雲の向こう、約束の場所』は決してハッピーエンドを前提とした物語ではありません。これは、「再び失う」物語です。たった1人の少女が姿を消しただけで夢中になっていた飛行機製作を止めてしまい、3人が結んだ約束が果たされない。忘れようと遠くへと逃げても果たされない約束が、思春期の少年たちを苦しめる。
想いを寄せる人を救うために、逃げた過去を掘り起こし進み始める。恋愛や努力よりは後悔や現実逃避が色濃く青春映画と言い難いが、一途な想いや苦悩を描いていてる。佐有理との約束のために動く浩紀と夢の中で浩紀の名を呼ぶ佐有理、二人の想いが重なり約束が果たされるとき、再び失う。
再び失うために描かれた『雲の向こう、約束の場所』は新海誠らしい作品となっている。

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